怒りの背景にあるもの
今回は「怒りの背景にあるもの」についてお話ししたいと思います。
「怒り」という感情に、どんなイメージを持っていますか?
怖い、嫌なもの、出してはいけないもの……そんなふうに感じる方も多いかもしれません。
ですが、怒りの感情そのものは決して悪いものではありません。
怒りは、人が生きていく上で本来備わっている、自然で大切な感情です。
怒りは、自分にとって大切なもの――
人、物、自尊心、価値観、安心感など――を守るために生まれます。
ただし、怒りは出し方や扱い方次第で、人間関係を壊してしまうこともあります。
そのため、怒りを「なくそう」とするよりも、「理解して上手に扱う」ことがとても大切になります。
怒りの奥に隠れている感情(一次感情)
怒りの背景には、多くの場合、別の感情が隠れています。
これを「一次感情」と呼びます。
例えば、こんな場面です。
例①
パートナーに話を聞いてもらえず、強く怒ってしまった。
→ その奥には、
「分かってほしかった」
「大切にされていないと感じた悲しさ」
「一人ぼっちのような孤独感」
が隠れているかもしれません。
例②
職場で注意されてイライラが止まらない。
→ その背景には、
「否定されたように感じて傷ついた」
「頑張っていたのに認めてもらえなかった悔しさ」
があるかもしれません。
怒りが出てきたとき、
「私は怒っている」だけで終わらせずに、
「本当はどんな気持ちだったんだろう?」
と自分に問いかけてみることが大切です。
「悲しかったんだな」
「傷ついていたんだな」
そうやって背景にある一次感情に気づき、認めてあげるだけでも、
不思議と怒りが和らぐことがあります。
怒りの背景にある「自分の正義」
もうひとつ、怒りの背景によくあるのが自分なりの正義です。
「この場面ではこうするべき」
「普通はこうだよね」
「相手はこうあるべき」
こうした“〜べき”という考え方が、自分の中にある正義です。
例③
・約束の時間に遅れてきた相手に強く怒ってしまう
→ 「時間は守るべき」という自分の正義
例④
・家事や育児を手伝ってくれないパートナーにイライラする
→ 「夫婦なんだから協力すべき」という正義
この正義が悪いわけではありません。
ただ、その正義は自分にとっての正義であって、
必ずしも相手にとっても同じとは限らない、という点が大切です。
怒りが湧いてきたとき、
「これは私なりの正義が反応しているのかもしれない」
「相手には違う価値観があるのかもしれない」
そんな視点を持つことで、怒りが少し落ち着くことがあります。
自分の「怒りのパターン」に気づく
人それぞれ、怒りやすいポイントは違います。
・こんな時にイライラしやすい
・こう言われるとムッとする
・疲れていると怒りが出やすい
自分を観察していくと、
「自分はこういう時に怒りやすいんだな」
というパターンが見えてきます。
そのパターンの奥には、
自分が大切にしている価値観や正義が隠れていることも多いのです。
まとめ
怒りをうまく扱うためのポイントは、
・怒りの背景にある感情(一次感情)に気づくこと
・自分の正義を一度、疑ってみること
怒りの背景を知ることは、
怒りの正体を知ることでもあります。
それは、怒りに振り回されるのではなく、
怒りと上手に付き合っていくための大切な一歩です。
「怒り=悪いもの」と決めつけず、
「怒りは何を伝えようとしているんだろう?」
そんな視点を持ってみてはいかがでしょうか。
カテゴリ:心の豆知識

