FAQ|尼崎カウンセリングルーム「ここはな」

カウンセラーは、しんどい話を聞いてしんどくならないの?

「カウンセラーって、毎日しんどい話を聞いていたら、しんどくならないんですか?」

これは、よく聞かれる質問です。

 

たしかに、カウンセリングでは、日常生活ではなかなか人に話せないようなことをお聞きすることがあります。

過去のつらい経験や、トラウマのような出来事、時には“死にたい”という気持ちなど……。

「そんな話を毎日聞いていたら、カウンセラー自身も苦しくならないのかな?」

と思われるのも、当然かもしれません。

 

私自身はどうかというと、実は、あまり「しんどい」と感じることはありません。

もちろん、目の前の方が苦しんでいるときには、その苦しさを感じます。

悲しい話を聞けば悲しくなることもありますし、「この人は本当に苦しかったんだな」と胸が痛くなることもあります。

 

でも、その方の苦しみを、自分自身の苦しみとして抱えてしまうことはありません。

なぜなんだろう?

と改めて考えてみました。

 

 

そこで一番大きいのは、

「人は、ここから必ず変わっていける」と信じているからなのかもしれない

と思いました。

 

今はどれだけ苦しい状況にいても、人の心は変化していきます。

すぐには変わらなくても、少しずつ何かが動いていくことがあります。

 

だから私は、目の前の方の「今の苦しさ」だけを見ているわけではありません。

いつか、“笑顔” になる未来を思い浮かべています。

 

 

だから、今がどれだけ苦しい話であっても、私はそこに絶望しないのだと思います。

むしろ、

「ここからどうやって、この方が自分らしく生きられるようになるんだろう」

と考えています。

 

 

そして、もう一つ大切なのが、

寄り添うけれど、取り込み(背負い)すぎないこと。

 

カウンセラーは、クライエントさんの気持ちを理解しようとします。

「それは辛かったですね」

「そんなふうに感じていたんですね」

と、その方の心に寄り添います。

 

でも、「あなたの苦しみ=私の苦しみ」にはしません。

その人の人生と、自分の人生は別だからです。

これは決して冷たいことではありません。

むしろ、自分と重ね過ぎてしまうことは、危険でもあります。

自分の経験と重ね、共感し過ぎでしまうことは、

「きっとこの方も私と同じように感じているんだ」

と、“わかったつもり” になってしまうかもしれません。

 

でも、その人の人生は、その人にしか歩めないものです。

似たような経験があったとしても、感じ方も、意味づけも、その人が抱えてきた背景も違います。

だからこそ、「わかる」と決めつけるのではなく、

「この方は、どんなふうに感じているんだろう」

と、その人の世界を、あくまでも“私が” 知ろうとする姿勢が大切なのだと思います。

 

そして、相手の人生を自分の人生と重ねてしまうと、本来背負うことのできないものまで、勝手に背負ってしまうことにもなります。

カウンセラーがその人の人生を背負うことはできません。

できるのは、その人が自分の人生を自分で歩いていけるように、一緒に考えたり、支えたりすること。

 

そして、適切な距離があるからこそ、長くその人のそばにいることができるのだと思います。

 

 

もちろん、すべてのカウンセラーが同じわけではありません。

人によっては、話を聞いた後に心が重くなったり、自分の過去の経験と重なったり、クライエントのことを帰宅後も考えてしまうこともあります。

だからこそ、カウンセラー自身が自分の心を整えることも、とても大切です。

 

「人の心を扱う仕事だからこそ、自分の心も大切にする。」

これは、カウンセラーにとって大切なことだと思っています。

 

繰り返しになりますが、

私は、カウンセリングの時間の中で、

「この人なら、きっと大丈夫」

という気持ちを持っています。

今すぐに大丈夫じゃなくてもいい。

迷っていてもいい。

立ち止まっていてもいい。

それでも、人は少しずつ変わっていける。

私はそう信じています。

 

だから、つらい話を聞くことが「しんどい仕事」だとはあまり思いません。

その人が抱えてきたものを一緒に見つめながら、

「ここからどうしていこうか」

と一緒に考えていく。

そして、その人自身が自分の力で前に進んでいく姿を見届ける。

 

カウンセラーという仕事には、そんな喜びがあります。

寄り添うけれど、背負わない。

今の苦しさに寄り添いながら、その人の未来を信じる。

もしかすると、私がカウンセリングをしていて「しんどくならない」理由は、そこにあるのかもしれません。


カテゴリ:カウンセリング関連

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